2013年5月16日木曜日

「年金制度改正について」

年金には、自営業者や、専門主婦が受ける「国民年金」と
会社員が受ける「厚生年金」の2種類があります。
「国民年金」の場合、40年間保険料を納めた時の、老後の年金額は、月6.6万円で、
支給開始年齢は、65才です。(年金支給改正とは無関係)

「厚生年金」は、年金額が、現役時代の保険を納めた期間により変わる「基礎年金部分」と
現役時代に納めた保険料によって年金が変わる「報酬比例部分」があり、
「基礎年金部分」+「報酬比例部分」で年金額が決まります。

「報酬比例部分」は、老後の生活をある程度支える為の聖域とされ、これまでは、
年齢が60才で支給開始されていましたが、
4月より、65才へと順次引き上げられる事になりました。

男性の場合:今後、「報酬比例部分」の支給開始年齢は、
      2013年に61才。
      2016年に62才。
      3年ごとに1才ずつ引き上げられていき、
      12年後の25年に65才への引き上げが完了。

女性の場合:過去、男性は、60才から、女性は55才から年金支給が開始されていた為、
      支給開始年齢の引き上げも5年遅れに設定されています。
  
       「年金の支給開始年齢の引き上げについて」

男女で、引き上げ開始年齢が異なりますし、12年間かけて段階的に引き上げられる為、
40代から50代の人達は、何才から年金受給が出来るのか、知っておくべきです。

*男性は2013年4月から、引き上げがスタートしました。
*女性は2018年4月から、引き上げがスタートします。

(2013年4月1日時点の年齢)    (生年月日)          (年金受給年齢)
    55才以上        1958年4月1日生まれ以前       60才
    54才          1958年4月2日から          61才
    53才          1960年4月1日生まれ         61才
    52才          1960年4月2日から          62才
    51才          1962年4月1日生まれ         62才
    50才          1962年4月2日から          63才
    49才          1964年4月1日生まれ         63才
    48才          1964年4月2日から          64才
    47才          1966年4月1日生まれ         64才
    46才以下        1966年4月2日生まれ以降       65才

      「何故、年金支給開始が引き上げられるのか?」

日本人の平均寿命が、この10年で、10才伸びました。
高齢化が進み、子供の数も少なくなるなかで、高齢者への年金額が膨らんでいます。
年金の支給開始年齢を引き上げる事で、年金を受ける対象数を減らし、
働く高齢者を増やし、「現役時代」の人口を増やして行こうとしています。

65才までの雇用継続を企業に義務づける「改正高齢者雇用安定法」により、
本人が希望すれば、65才まで働けます。
しかし、働き方は同じでも、収入が激滅するケースも多く、
又、60才以降は、働きたく無い人も居ます。
そこで、年金受給を早める「繰り上げ受給」が注目されています。

      「年金繰り上げ受給について」

「繰り上げ受給」は、年金事務所に申請する事で、
1か月単位で、年金受給開始時期を早める事が出来ます。
本来65才からの年金受給でも、最大で5年早めて、60才から受け取る事が可能です。
ただし、繰り上げ受給をすると、1ヶ月早めるごとに、年金額が0.5%下がります。

例:61才受給月20万円が 6%DOWNして60才受給月18.8万円
  62才・・・20万円・12%DOWN・・60才・・・17.6万円
  63才・・・20万円・18%DOWN・・60才・・・16.4万円

上記の様に、61才受給を60才受給にすると、本来、月20万円の支給が、
6%減額されて、18.8万円になります。
1年間の繰り上げでは、月1万円程度の減額ですが、
「62才から60才」「63才から60才」と繰り上げの幅が大きく成るほど、
減額が大きくなります。
「65才から60才」の場合、30%のDOWNで、
14万円に減額され、「61才から60才」に比べると、
年金総受け取り額は、年間50万円以上の差があり、
80才までの20年間で、1000万円以上の差がつきます。
本来、65才からの受給を、60才の繰り上げ受給にして、
76才8カ月以上生きるとすると、繰り上げ受給にした為に、損をします。
一度、繰り上げ受給を請求すると、取り消しや変更は一切出来ません。
日本人の平均寿命を考えると、76才以上、生きる可能性が高いので、
各自で、よく検討するべきです。