2018年10月3日水曜日

10周年記念旅行・2日目

翌日は朝食に合流したYさんとともにBad Wildbadへ向かい、終点バス停の道路を斜め向かい渡ってKaffeeManufakuturでチョコレート作りに挑戦。
まん丸い瞳の可愛いお嬢さんが先生で、すでに準備してあった材料を前に滑らかな口調で説明しながらてきぱきと板チョコとクレープよろしく丸く広げた円形チョコレートの作成を進めていきます。チョコレートなんてただ型に流し込んでしまえばいいんだろうと思っていたのが、意外と温度調節に細かく気を配らなければならず、表面の滑らかさも勝手になるのではないと気付かされて、たかがチョコレートと軽く見ていたことを反省しました。旅行黒い森2

自分の土産用にパックしたお手製チョコレートを外の気温で溶けるといけないので先生に預かってもらい、こんどはBad Wildbadのアトラクションの一つ、ほとんど45度の急な傾斜をザイルに引っ張られて300メートル余りを5分で上り下りする登山電車に乗って山上のレストランへ。
ここで各自好みの注文を、と言っても昨日の豪勢な夕食がまだ胃に残っているような感じであまり食欲もなく、サラダだけとかシニア用の量にしてほしいという注文がほとんどでした。

こういう親睦旅行というのは非常に有意義だと意見一致。ただしいつも同じ顔ぶれだねえという話から40代50代の新しい会員加入を促進させるにはどうすればいいだろうか、に発展しました。
まほろばの現在の会員たちは既にかなりの年齢に達しているし、これからもどんどん老いていく訳であるし、はっきり言ってこれは実に切実な問題であります。皆様の中に、若い世代にまほろばへ入会したら老いた私たちの面倒を見なければいけないのでは…というような恐怖感を抱かせずに、一緒に楽しく有意義なひと時をみんなで持ち合える会への勧誘方法を夢の中にでも思いつかれた方は、是非とも役員の誰かにでもご連絡ください。

さて、山上レストランで食事が始まるころには私たちだけだった大部屋に数組の子供連れの家族がどたどたと入ってきて席を占め、一挙に賑やかになったのは良いが、この頃の若い人達は(このセリフはエジプトの昔から)Anti-Autorität主義が多いので、子供がこういう公共の場であちこち動き回ったり、大声で叫んだりしてもあまり厳しく叱らなくなっているのは洋の東西を問いません。

そこで私たちは早々に勘定を済ませて、下へ降りるザイルバーンがちょうど待っていたのに飛び乗り、これが予定していたより30分早いものだったので、バスもこれまた偶然に途中で止まらずにまっすぐPforzheimへ向かうエキスプレス号に乗ることが出来て、Yさんと(御主人がわざわざWildbadまで車で来ていた)Sさんのお二人にお別れして、それからはとんとん拍子に予定外の電車を乗り継いで結果的にシュツットガルトへは1時間早く到着できました。
Mさん、Tさんと私の3人は一時間に一本しか出ないTübingen行きに乗らざるを得ないので帰宅は暗くなると覚悟していたのが、まだ太陽がさんさんと輝いているうちに家路に着くことが出来ました。

振り返ってこれだけ鮮明にいろいろと思い出せたのは、やっぱり印象に残った証だと思っております。あれこれと細かく気を配って手配してくださったYさんに改めて御礼申し上げます。本当に有り難うございました!! 

M.K.

旅行黒い森3

10周年記念旅行・1日目

ずっと以前から予定に組まれ、企画に大いに力を入れてくださっているYさんから着々と確実な行程表が届いて、しかも天気予報も上々の晴天というお墨付き。
9月8日から一泊二日の黒い森への親睦旅行に出発するためにシュツットガルト駅12番線ホームに集合したのは10名。9名が女性で紅一点ならぬ黒一点はTさん、Pforzheim行の電車が出発する間際にようやく現れて皆の肝を冷やしてくれました。30分の余裕を見て家を出たのにバスが遅れてきて、そのためにSバーンにも乗り遅れたというドミノエフェクトが原因だそう。

Pforzheim駅でYさんとSさんが合流。
一緒に来たYさんのご主人から皆の手荷物を車のトランクに積み込んでホテルの方へ届けておいて下さるというご提案で、旅行用カートを引っ張っていたり、かなり大きなリュックやバッグを下げていた会員達には天の助け、これこそ"wenn Engelchen reisen....."というもの。身軽になってレストランRosen Rotへと、道路の両側に茂る緑の木々が投げる影を拾いながら歩いて行ったのですが、建物はそのほとんどが比較的新しいものばかりで、1945年終戦間際にこの町が受けた大爆撃のすさまじさを思わずにはいられません。
本来は休日の所をYさんが特別に頼み込んで1時の約束で開けてもらうレストランはまだ開いていなかったので、私たちは外に並べられていたテーブルと椅子に陣取り、食事もそのまま青空の下、爽やかな空気の中で済ませました。
陰に入るとひんやりとするなと感じられていた気温はどんどん上がっていき、宝石博物館へ向かう道中は迂回がたたって西東分からなくなり、3,4回尋ねまわって向こうだ、あっちだとオデイッセーよろしくさ迷った挙句に辿り着いた時には約束の時間をかなり上回っていて、しかもリュックやバッグをまずはロッカーへ入れなければならなかったので手間取り、Reuchlinhausの広大な面積に陳列されたあまたの貴重な装飾芸術品の説明をゆっくり聞ける時間が足りなくなって、ガイドさんに悪かったなと反省しました。
このAga Khanの収集品を含むアールデコ様式装飾品の特別展示会は2019年1月6日まで開催されているので、時間と興味のある方は是非とも一度足をお運びください。一見の価値は十分にあります。 www.schmuckmuseum.de

ドイツでは自家用車で移動するのが当たり前、と考えるのが常識であることを認識するのは、公共の交通機関を利用するときです。ZOBへ戻った私たちを待ち受けていたのは私たちが乗るべきバスが本当にここへ来るのだろうか??という不安感でした。何しろアナウンスはおろか、標示版にも表れていず、単線電車が不通のための代替バスに関する情報は出発時間を除いて全くゼロ。
みんな大いに心細かったけれども奇跡的に赤い代替バスが時間通りに姿を現し、私たちの前に止まってくれました。
やれ嬉しやと思ったのもつかの間、今度は普通はそれが頼りの、次の停留所を示す掲示板の文字が走り出しても次の停留所で止まっても全く変わらないではありませんか。初めて乗る路線は一体何番目当たりで降りればいいのかわからないものです。前の方の席に座っていたⅠさんが運転手に尋ねに行くと、あろうことか彼は携帯を手に持ち、イヤフォンを耳に詰めていたそうです。運転手の風上にも置けない振る舞いですが、うるさいまほろばのおばさんたちに詰問されて辟易したのか掲示板はやっと動くようになり、無事にホテルに近い停留所で降りる事が出来ました。

黒い森の清冽な空気を吸いながら、自家養殖用の大きないけすの中でウジャウジャと泳いでいる魚の群れを横目に着いたホテルは、木をふんだんに使った典型的な黒い森の宿。

ちょっと一休みしてから集まって囲んだ夕食のテーブルには種々の魚を盛り合わせた大皿、それにライス、パスタ、ジャガイモの付け合わせ、3種類のソース(4種類あったという人もあり)が所狭しと並べられて、すでに新鮮なサラダで胃袋が膨れているはずの私たちの食欲を更にそそり、あとは雑談の内に骨抜きされて手頃の大きさに揃えられた魚の切り身の名前などをイキの良い、背の高いウエイターのお兄さんに教えてもらいながら胃の中へ納めているうちに10時近くになり、デザートのシャーベットが出てきました。私は生まれて初めて大きなシャーベットの球を3つも平らげて大いに満足。
気が付けば周囲から客はいなくなっていたので、ウエイターたちが帰宅できるようにこの辺でお開き、となったのが11時でした。

旅行黒い森1